スポンサーリンク

手彫り印鑑彫刻の全行程をご紹介します

おかげさまで気がつけばブログも1日2000アクセスを超えるようになりました。

そして私自身も以前より遥かにあちこちに顔を出すようになったため、新しく繋がった方々も多くいらっしゃいます。

でねあちこちで驚かれるんですよ「えっ?鈴木さんが彫ってんの?」って。

そうなんです!

私の本業が印章の手彫りの職人だってこと、ほとんど伝わってないんです(涙)

なので久々に、っていうか過去のブログのリライトですけど、改めて「手彫りの全行程」ご紹介させていただきます。

ちなみに印章って、その性質上画像をアップするのは難しいんですけど、当時認印という事もあり快諾頂きましたので、もう6年も前の写真ですけど参考にご覧ください。

せっかくだから目次なんかも作ってみました♡

手彫り印章彫刻作業全行程

【印稿】設計図を書く

印稿

最初に「印稿(いんこう)」と呼ぶ、設計図を書きます。

何せハンコは逆さに彫りますから、まずは正しい向きで。

毎日彫っていると逆さまでもある程度バランスは分かるようになるんですけど、やはり正しい向きで書いた方がよく分かりますからね。

最上を目指す上では欠かせない、最も大切な工程と考え、全てのご注文に際して必ず書いております。

手で書いたり修正したりするので、多少の荒さはご容赦下さい。

【面丁】材料の彫刻面を平らにする

面丁作業

次に「面丁(めんてい)」と呼ぶ、材料の面を平らにする工程。

意外に思われるかもしれませんが、ハンコの材料って天然の材料を切り落としているので、面が平らじゃないんです。

参考に平らにしている途中の画像を以下に。

面丁

分かりますか?

これは彫刻面、つまり印面側です。

周りは白く削れてますけど、中心の部分の色が変わらずに残ってますよね?

つまり凹んでます。

だからその凹みが消えるまで、丁寧に丁寧に平らに削ります。

これをきっちりやらないと中心が写らないハンコになっちゃいますから、とても重要な工程の1つです。

【墨打】朱墨を印面に打つ

墨打

次に「墨打(すみうち)」と呼ぶ、朱墨を印面に打つ工程。

材料の表面を平らにしますので、そのままだと筆で書く墨が乗らないんですよ。

おまけに黒い材料に黒い文字じゃ見えませんから、下地として朱色の墨を打ちます。

塗るんじゃなくて、打つ。

塗ると凹凸ができて筆が走りませんから、数回薄く打って朱を重ねます。

綺麗に書き、綺麗に彫るためのこだわりです。

【字入】直接文字を逆さまに書く


字入

1.で書いた印稿を元に、材料に直接逆さまに書いていきます。

印稿と同じようにレイアウトする線を引き、鉛筆で下書きを書いてから筆で墨を入れていく。

この最初の文字を入れる段階が「命」なんですね。

ここでどれだけ完璧に近づけるかで仕上がりのクオリテイに大きく差が出ます。

なので、鏡で照らして印稿と合ってるかどうか、細かくチェックしながら修正していきます。

あれ、ちょっと右に寄ってるかな?修正、修正。

【荒彫】ざっくり彫り込む

荒彫

次に「荒彫(あらぼり)」と呼ぶ、ざっくり彫り込む工程。

ここでは墨で書いた文字と枠になる部分を残し、朱色の部分のみを彫り込んでいきます。

で、写真は荒彫りの完成。

あくまで荒彫りですのでまだまだこれから。

とは言え、ここで手抜きをすると後で大変になりますから、ここもまた神経を使う工程。

こちらは動画も撮ってたんで、貼っておきます。

【面丁】再度材料の彫刻面を平らにする

再面丁

ここで再び「面丁(めんてい)」と呼ぶ、材料の面を平らにする工程。

これが最後の面丁です。

何も削れていない最初の段階と違って、彫り込むと当たる面が減ります。

つまりこの段階の方が、より印面が平らにしやすいんです。

何度も平らにする工程を重ねて、より写りの良い状態を作ります。

ちなみに改めて写真を見ていただくと全体的に材料が白っぽいのが分かります。

黒水牛は黒く染めた材料なので、彫ると地の部分が見えて白っぽくなります。

そのため鈴印では見栄えを良くするために、黒水牛の場合は底に墨を塗ります。

小さなこだわりですが…

墨塗

白さが取れて、より高級感のある雰囲気になります。

ま、実際明暗がはっきりして、その次の 仕上げの工程もしやすくなるので、一石二鳥。

【墨打】再度朱色の墨を材料に打つ

墨打2墨打3墨打4

ここでまた「墨打(すみうち)」と呼ぶ、朱墨を打つ工程。

黒いままじゃ切り口が見えませんから、朱墨を塗って仕上げやすくします。

そしてこれも難しい。

特にこの朱墨は湿度の影響を受けやすいため、湿度に応じて溶かす水分の量を変えないと均等になりません。

均等じゃないと表面が凸凹して捺印の際に邪魔をしますから、素早く少ない回数で薄く均等に打ちます。

【仕上】削って文字を整える

仕上_枠のみ

最後に「仕上(しあげ)」と呼ぶ、削って文字を整える工程。

先ほどはざっくりと彫り込みましたけど、今度のその断面を削って文字を整える工程。

この仕上げで仕上がりに大きく差が出ます。

ちなみに上の写真は外側の枠だけ仕上げてます。

そして以下が「岡」のみ仕上げた画像です。

仕上げ「岡」のみ

ちょっとづつ整っていくのが分かりますかね?

ピンぼけで分かりにくくてすみません。

ちなみにこちらの仕上工程は動画を撮るのを忘れちゃったので、別のになりますが動きと雰囲気だけでも動画で見てください。

そして「仕上げ」がほぼ終了。

ほぼ完成

若干線がゴツゴツしてるのが分かりますか?

あえてちょっとだけゴツゴツにしてみました。

こちら「古印体」という書体は、切れ味スッキリに見せる見せ方とあえて線をガタガタさせ「味」を出す仕上げ方があります。

今回後者を選択しました。

あとは個人的に納得いくまで、押しては削り、押しては削りを繰り返していきます。

そして完成していきます。

【完成】

完成

ま、先の画像との違いは

きっと分からないと思いますけど・・・(涙)

最後に

以上がハンコを彫る全作業行程になります。

思ったより手間暇掛かってんな!って思っていただけたら幸いです♡

やはり素材に応じて微調整しながら、最適な捺印を実現するために1本1本丁寧に行なっていくのって、人ならではの手作業が一番です。

特に天然素材なら、なおさらです。

全てはお客様が押す瞬間に、気持ちよく綺麗に捺印していただきたいとの想いです。

なので大変申し訳ないのですが、30分では彫れません♡