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実印があなたのブランディングになる理由

  1. 印鑑の物話
  2. 529 view

実印が大きな契約の際に必要とされることは、よくご存知だと思います。
だからその価値を知る人、つまり大きな契約事を多く行う人は、実印を本当に大切にします。
ではなぜ、それらの方々は実印を大切にされるのか?

実印があなた自身のブランドを作る=ブランディングになることを知っているからです。

ここでは実際にそれらの方の考えをもとに、実印がどうしてあなたのブランディングになるのかを説明してきます。
2021年7月31日に公開したブログですが、2022年9月10日にリライトしました。

 

ブランディングは、相手にとって自分の価値を高めていく行為

暮らしの中でご自身の「実印」や「ブランド」を改めて意識する機会は少ないかもしれませんが、人は誰しもセルフブランディングして暮らしています。
ではまず、ブランディングの意味から見ていきましょう。

ブランディング(英: branding)とは、顧客の視点から発想し、ブランドに対する共感や信頼など顧客にとっての価値を高めていく企業と組織のマーケティング戦略のひとつ。
ブランドとして認知されていないものをブランドへと育て上げる、あるいはブランド構成要素を強化し活性・維持管理していくこと。またその手法。
ここでいうブランドとは高級品に限らずその対象も多岐にわたる。
商品やサービス、それらを供給する企業や団体、また人物・建築物・史跡・地域 ・祭事等々、営利・非営利、有形無形を問わずあらゆるものが対象となる。

Wikipediaより

つまり、相手にとって自分の価値を高めていく行為がブランディングなわけですね。

これを人として考えると、赤ちゃんが産まれてから親はブランドとして認知されていないものを、ブランドへと育て上げることを行っているんですね。
親として、他者から見て価値が高い人になってもらえるよう願いを込めて育てるわけで、それらは全てブランディングにつながっています。
だから時には厳しく、時には優しく、これまで受け継がれてきた考えを子供に伝えているわけです。
そして受け継がれてきた教えの1つが、「実印」なんだそうです。
では次に、理由について見ていきたいと思います。
 

実印があなたのブランディングになる理由

大前提として実印は契約の際に相手から求められて捺すものですが、他にもあまり表に出ない意味合いも含まれています。
それが信用です。
実際に事例をご紹介します。

逆の立場になって考えてみるとよくわかります。
実印が必要な契約は、100万円を越える高額取引。
契約書を交わし実印を捺すと行為は、一方的な契約破棄を防ぐためでもあります。
つまり約束した後に、「やっぱりキャンセルで」と言われない証拠に実印を捺します。
では契約書に捺印されるのが、簡単な三文判の場合と、フルネーム入った実印の場合とで、どちらが相手の意思を信用できるでしょうか?
そんな値踏みとして、契約の際に相手の人は、あなたの実印を見ています。

銀行で借入の際、実印が三文判の場合は担保を多くとるような風潮もあったそうです。
車の購入の際、国内最大手ハイブランド車を購入される方たちは、しっかりとした実印を持っている割合が非常に多いそうです。

以上の事例からもわかるように、実印を見られているのが表に出ない意味合いです。
「私は信用に値する人物である」。
相手にとって自分を高めていく行為の1つが、しっかりした実印を捺すということになっています。
つまり実印があなたのブランディングになっていることがわかります。

では次に実印の価値をどこで知ったのかを聞いてみると、ほどんどが2つのケースに当てはまりました。
 

1.実印は親から贈られた

1つ目は親から贈られた場合。
そのためご自身もお子様のために、実印を贈ろうと考えられています。
「大切なものだから、最後の贈り物として」
ちなみに実印は成人の際にプレゼントされることが多いので、その後は自分で稼げとのメッセージも含まれます。
他にも絶対に間違えてはいけない契約、連帯保証人などにならないように、お守りの意味も含まれます。

これは前述したブランドとして認知されていないものを、ブランドへと育て上げることに通じます。
将来訪れる信用、つまりブランディングが必要な場面に向けて渡されているんですね。

つまり実印が親から子へ贈られてきた理由は、教育の一環でもあり、かつブランディングの一環でもあることがわかります。
 

2.実印の意味は尊敬する人から教わった

もう1つは、教わったケース。
しかも友人など横のつながりではなく、上司などの目上の尊敬する人の言葉が大きいそうです。
もちろん自分自身で「捺印の際に恥ずかしかった」経験上つくられる方もいますが、それも前提には教わった背景があります。

「先輩に実印だけは、しっかりしたものを作っておけ」などと教えられたそうです。

その背景を紐解くと、実印を大切にされる方は社会的地位が高い方だったり高収入の方が多いです。
ある程度の地位に立ち、捺印で恥をかかないよう、誤った契約に捺さないよう、大切な後輩にだけこっそりと伝えているようです。
どちらかといえば余計なお世話にもなりかねない内容なだけに、きちんと伝えたい人にだけ。
こちらも親から子へ贈られてきたのと同様、教育やブランディングに一環となっていることがわかります。
 

実印はあなたのブランドを一番的確に表すもの

ブランディングには、見せたいものと、秘めるものがあります。
よく急に身なりが派手になると成金なんて言われてしまい、一方本当のお金持ちはひっそりと良いものを持つとも言われます。
良い実印を選ばれる方は後者が多いです。
実印はそもそも見せるものではなく、見られるもの。
それなのに良いものを所有するメリットは信用であることは前述した通りです。

人生の中で特に重要な場面で求められるのが実印で、そこで最も大切なことは信用です。
信用のある人は、これ見よがしに自分を誇示する必要もありません。
大きな契約の際にはお互いに細かく観察し、ちょっとした仕草などでも背景や生い立ちが醸し出されるからです。
派手に見せること=誇大なことでもあります。
信用は決して派手だから得られるものではありません。

秘められていて肝心なときにその人の背景を映し出すのが実印。
つまり実印こそ、あなたが考えるブランディングを一番的確に表すものなんですね。
 

最後に

ブランドの語源をご存じでしょうか?
ブランド=焼印
です。

元々ブランドとは「焼印をつけること」を意味する brander というノルウェーの古ノルド語から派生したものといわれ、古くから放牧している家畜に自らの所有物であることを示すために自製の焼印を押していました。
現在でも brand という言葉には、商品や家畜に押す「焼印」という意味があり、そこから派生して「識別するためのしるし」という意味を持つようになっています。

他と識別するのがブランドで、他にとって自分の価値を高めていくことがブランディング。

いずれにしてもブランドと印は、切っても切れない関係であることがわかります。

機能面だけでいえば、三文判でも事足ります。
なのに実印を大切に考え、しっかりしたものを作る理由はご自身のブランディングのためです。
人生の中で回数は少ないかもしれませんが、人生を左右する大切な場面で登場するのが実印です。
その瞬間のブランディングは何よりも大切な、お金では買えないあなたの信用に他なりません。
 

鈴印

〜印を通してお客様の価値を高めたい〜

鈴木延之
代表取締役:株式会社鈴印

1974年生まれ。
A型Rh(+)

1932年創業、有限会社鈴木印舗3代目にして、現プレミアム印章専門店SUZUIN代表取締役。専門店として、印章(はんこ)を中心としたブログを毎日発信。本業は印章を彫る一級印章彫刻技能士。
ブログを書き出したきっかけは、私の親父が店頭で全てのお客様に熱く語っていた印章の価値や役割そして物語を、そして情報が散見する中で印章の正しい知識を、少しでも多くのみなさまに知っていただきたいから・・・
だったのに、たまに内容がその本流から全く外れてしまうのが永遠の悩み♡

一級印章彫刻技能士
宇都宮印章業組合 組合長
栃木県印章業組合連合会 会長
公益社団法人全日本印章業協会 ブロック長

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